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Gerstmann(ゲルストマン)症候群:症状・原因

まとめ

メンタルローテーション×

今回は高次脳機能障害では珍しく名前がついている『Gerstmann症候群』です。

原因部位・症状

典型的なのは優位半球(多くは左)の角回・縁上回が障害されると起きます。

Gerstmann症候群は4つの代表的な症状を呈しますがそれは

①失算:計算が出来ない

②失書:名前が書けない

③左右失認:左右が分からない

④手指失認:何指か分からない

です。

それぞれを調べるには以下のように課題提示や質問します。

①:5-3や3×4みたいな簡単な計算をさせる

②:実際に名前を書いてもらう

③:『右手で左の耳を触ってください』と指示する

④:『親指はどれですか?』

(③+④『右手で左の親指を握ってください』)

ただしこれら4つがすべて揃うのは結構珍しく、逆に揃うとおぉ~っとなります。個人的には左右失認・手指失認は一番頻度多く認めますが、構成失行や認知機能低下なども絡んでくるので注意します。逆に失算・失書認めると『お、Gerstmannか』と身構えます。

メンタルローテーションの障害

ではなぜGerstmann症候群は起きるのか。

それはメンタルローテーションが障害されるからです。メンタルローテーションとは平面・空間把握の能力で数学の平面図形・空間図形みたいなものです。例えば2つの机があります。

我々は見ただけでこの2つが回転、または線対称であり、向きの変わった同じ机と判断することが出来ます。

でもGerstmann症候群ではこの頭の中での回転・線対称・(点対称)の能力が障害されるためこの二つの机が全く別のものに見えます。

このような平面・空間把握が出来なくなり先ほどの4つの症状が出ます。

失算・失書:数字やひらがな・漢字は直線や曲線が複雑に絡まっており、またそれぞれの直線・曲線の位置・交差の1つ1つが重要なので平面空間認知が出来ないと理解できないのです。

手指失認・左右失認:例えば親指は右手だと1番右端、左手だと1番左端にあります。でもメンタルローテーション(空間認知)がおかしくなると小指に見えたりします。また右・左とは正中(体の中心)を境に線対称の存在であり、その認知が不可能になるので左右が分からなくなります。

このようにGerstmann症候群はメンタルローテーション(平面・空間認知)によって全ての症状が説明できます。ぜひ覚えておいてください

Gerstmann症候群

⇒メンタルローテーション×

以上です。またお願いします。

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