細菌・ウイルス感染での採血結果の違い(白血球数・分画)

まとめ:数と分画。ターゲットの違い。

細菌とウイルス。ご存じ二大感染症の原因。症状の違いは以前簡単に☆リンク:カゼの見分け方☆で述べたので、今回は採血結果の違いを述べていきます。ただしここでは一般論を述べますので実際は採血結果がオーバーラップしたり、反対になることもありますのであしからず。

まとめると

①白血球数:細菌では⇧⇧⇧、ウイルス性では⇒or⇧

②白血球の中身(分画):細菌では好中球⇧⇧(時に9割以上)、ウイルスではリンパ球⇧

 

☆白血球数・分画☆

細菌では白血球数が爆増します。普段は白血球数は5000-8000個くらいですが、細菌感染時には20000-30000っと4-5倍になります。でも40000はそうそう超えません。超えたら白血病を疑います。

そして増えた白血球の中身(分画)も変わり、戦闘力のある好中球が9割近くになります(普段は5-6割)。少し脱線ですがその際に『左方移動』という現象が見られます。これは細菌感染という非常事態・全面戦争のために、まだ成熟していない好中球(桿状核球・後脊骨髄球)まで駆り出される現象です。太平洋戦争時の学徒出陣やナチスの少年隊に近いです。

一方ウイルス感染では白血球数はあまり増えません。なぜか。それはターゲット・数が違うからです。細菌感染は文字通り細菌が攻撃対象です。細菌は20-30分で2倍に増えるため膨大な数を相手にしなくてはなりません。対抗するために人体も白血球を増やし物量戦にもっていく必要があるため、白血球数⇧⇧⇧となります。

でもウイルス感染では白血球数はあまり増えません。理由はターゲットがウイルスでは無く、ウイルスに感染した細胞だからです。実はウイルスはそれ自体だけで増殖が不可能で、他の生物の細胞に入り込み・利用することで初めて増殖します。またウイルス自体が小さすぎて一つ一つ白血球で殺せません。なので代わりにウイルスに取り込まれた細胞をターゲットにして、感染された細胞ごと駆逐します。まぁ〜ウイルス感染した細胞をやっつける=バイオハザードでゾンビになった仲間を倒すようなものです。

また細胞は早いものでも数時間ほど増えるのに時間がかかります。そのためウイルスに感染した細胞もそんなに速く増えないため、排除するのに必要な白血球がそこまで要りません。これがあまりウイルス感染で白血球数が増えない理由です。また細胞を倒すのが得意なリンパ球の割合が増えるのも、攻撃対象が感染細胞なのが理由です。そして壊れた細胞からLDHが漏れ出るので、LDH⇧となります。

以上です。機会あれば他の採血結果の違いも述べていきます。

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