検査

筋電図症例問題集⑤:手のしびれpart3

筋電図の知識に関してはリンク参照くださいm(__)m リンク:筋電図関連の記事一覧

今回もテーマは手のしびれ、の3回目。

臨床像

主訴:小指が勝手に曲がる。小指が痺れる。

現病歴:48歳男性。大工。1年前から小指が屈曲し洗顔時に眼に指が入りやすくなった。同時期に手掌尺側・小指のしびれを自覚するようになった。経過観察したが改善認めず精査目的で筋電図施行となった。

既往歴:特記事項なし

身体所見:MMTは小指外転筋2以外は特記事項無し。手掌尺側(小指球)・小指に感覚鈍麻を認めた。

⇒さてここまでの情報でどの疾患の可能性、どのような検査プランを考えますか?考えてから次の神経伝導検査・筋電図に進んでください。

神経伝導検査

検査では以下の所見を認めた。

右尺骨神経CMAPはElbow-AE30(Above Elbow)で伝導速度の遅延、AE30より近位で電位Amplitudeの低下を認めた。SNAPは導出不可であった。正中神経CMAP/SNAPは正常所見を認めた。

⇒さてここまでの情報で、次の針筋電図はどの筋肉を刺しますか??

針筋電図

・第一背側骨間筋で安静時❛脱神経電位❜認めず、多相波の増加・干渉パターンの減少を認めめた。

・短母指外転筋APBと尺側手根屈筋FCUはいずれも正常所見であった。

⇒さて診断は何でしょうか?また障害の程度、急性期か慢性期か、予後は?

解説

①臨床像

肘関節で尺骨神経が損傷、長期間の労作による摩耗・絞扼、による肘部管症候群を扱った題材です。詳しくはリンク参照してください☆肘部管症候群リンク☆

尺骨神経は虫様筋を司るため麻痺するとMP関節伸展・PIP関節屈曲位となります。これをCrow fingerと言います。意外と洗顔時に眼や鼻に小指が当たり気付くケースが多いです。

感覚低下は手掌尺側・小指全体・環指尺側に認めるのも特徴的。

②神経伝導検査

インチングという方法を用いて障害部位を大まかに特定します。それによって将来的に手術(移行術 King法)をする際の参考になります。また診断基準に関しては上記リンクをご参照ください。

③針筋電図

第一背側骨間筋FDI異常、母指外転筋APB正常を見ます。FDIは示指を撓側外転させる筋肉ですが、撓側外転って非常に指示が難しい&そもそも随意的に動かすのも難しいので、母指~示指の間にテープやボールを挟んで握りつぶしてくださいっと指示すると楽です。

尺側手根屈筋FCUは肘部管に入る前に分岐するため正常となることを確認します。

④診断

肘部管症候群(肘~肘上30㎜)。慢性期。今すぐ手術とはならないが、進行抑制のためにOpeの可能性あり。

 

以上です。またお願いします。

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