検査

筋電図症例問題集②:手のしびれpart2

筋電図の知識に関してはリンク参照くださいm(__)m リンク:筋電図関連の記事一覧

今回もテーマは手のしびれ。前回の手根管症候群とは違う疾患です。

臨床像

主訴:右手のしびれ

現病歴:82歳女性。2-3か月前から右手の感覚低下・しびれ(母指~中指)を認める。感覚低下・しびれの最強点は中指。特に日内変動はなし。手指巧緻性低下も認めている。

既往歴:特記事項なし

身体所見:右母指~中指にかけての触覚低下、しびれは母指~小指まで手指全体に認める。母指球・手内筋群の筋委縮認める。手内筋のMMT3 握力は14/20㎏と左右差を認める。

⇒さてここまでの情報でどの疾患の可能性、どのような検査プランを考えますか?考えてから次の神経伝導検査・筋電図に進んでください。

神経伝導検査

検査では以下の所見を認めた。

右正中神経CMAP:異常、SNAP:正常

右尺骨神経CMAP:異常、F波:異常、SNAP:正常

右橈骨神経CMAP(EIP):異常、SNAP:正常

⇒さてここまでの情報で、次の針筋電図はどの筋肉を刺しますか??

針筋電図

APB/FDI/EIP/Triceps/ParaspinalC8で安静時❛Denervation Potentials❜認め、随意収縮時に多相波の増加及び干渉波の減少認めた。APBとFDI・EIPではAPBの障害の方が程度は軽かった。なお最も所見が派手・異常だったのはTricepsであった。

ECRは正常であった。

⇒さて診断は何でしょうか?また障害の程度、急性期か慢性期か、手術適応か?

解説

①臨床像

手のしびれPart1と同じような臨床像ですが、鑑別が必要になってくる症例です。

ポイントは中指の感覚異常と手内筋群の。中指はC7支配なのでこの段階で鑑別は手根管・腕神経叢・頚髄症が挙がってきます(多発末梢神経障害の可能性もあるが)。ただしC7の頚髄症とはまだ断定できず、C6-8と幅広い脊髄病変が鑑別として残ります。

②神経伝導検査

ポイントはCMAPが異常で、SNAPが正常である点。この時点で後根神経節より近位の病変である可能性がバカ上がりします。

③針筋電図

そして針筋電図。APB/FDI/EIPは手根管や末梢神経障害を否定し、C8とTh1のどちらが障害強いか見ます。今回の場合はC8。

そしてC8を調べたので次は、C7(Triceps)、C6(ECR)と高位を上に上げていきます。この症例の場合はC6より上では異常無いのでその時点でC7・C8頚髄症(C7有意)、または腕神経叢障害が鑑別として残ります。

最後にParaspinal(傍脊柱起立筋群)は腕神経叢よりも近位の病変を調べるために行います。すごーーーく部位を断定したいなら前鋸筋(長胸神経という腕神経叢最近位)刺しますが、この筋肉むずいです。やらないのも一手、痛い検査なので。

そしてParaspinalで異常があると診断は確定です。

④診断

C7及びC8頚髄症、C7メイン。急性期であり手術適応

となります。

 

以上です。またお願いします。

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