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脊髄損傷と人工呼吸器~いつ外れる~

脊髄損傷患者の多くは最初に人工呼吸器をつけます。

我々が呼吸するには筋肉、特に呼吸筋が必要です。脊髄損傷の特に発症直後は呼吸筋が弱くなりやすく、助け(人工呼吸器など)が必要となってきます。

☆これ以降、脊髄損傷の専門用語(C4やTh1など)出てきます。詳しくはリンク参照ください。☆リンク☆

横隔膜で決まる

では人工呼吸器がいつ外れるか、そもそも外れるか。それは受傷した背骨(本当は脊髄)の位置でほぼ決まります。

C4(第4頸髄 4番目に高い首の骨)以上(C1/2/3/4)で脊髄損傷が起きると、一般的には人工呼吸器が必要となってきます。

なぜならC4には『横隔膜』を動かす大事な横隔神経があるからです。

横隔膜は呼吸界のエースで4番。呼吸の7割くらいは彼が1人で担っています。なので横隔膜が機能不全になるC4以上の脊髄損傷では、人工呼吸器が外れる確率は下がります。

C4より下の損傷(C7やTh/Lの脊髄損傷)ではどうか。ほぼ全例で人工呼吸器は外れます。

案外外れる

ではC4以上の損傷ならもう無理。という訳ではありません。

C2以上ではやはり厳しいですが、C3/4の損傷患者では7ー8割が外すことができます。またC5以下ではほぼ離脱できたとの報告もあります。ただし外れるまで数ヶ月かかる症例も多々あったようです。参考:Petersonら1994.

この研究はC4以上の損傷と、普段なら回復を諦めがちなケースでも、時間経過とともに残存機能が上がってくることを示唆しています。

我々医療者でもC4脊髄損傷=人工呼吸器マストと考えやすいです。なのでこの研究は人間の可能性、リハビリ継続の必要性を知らされた、いい研究です。ぜひ時間があれば読んでみてください。

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すずき Suzuki