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脊髄損傷④:性機能障害 勃起・射精・出産

まとめ;男は大変、女はちょっと大変

脊髄損傷では結構見逃される性機能障害(勃起・射精・出産)についてです。脊髄損傷はスポーツや交通事故などで、若年層にも患者がいます。なので恋人がいたり、結婚していたりすると性機能障害はかなり重要となってきます。

特に男性は性機能障害自体がかなり複雑なので難渋します。男性の性機能には主に勃起と射精があり、この2つは交感神経・副交換神経の絶妙なコラボレーションで可能となっております。交感神経と副交感神経は自律神経とも言われ、この2つは裏表の関係です。どちらかが活発になると、片方は大人しくなります。

大前提として副交感神経が活発になると勃起します。よく『朝立ち』とありますが、あれは睡眠時には副交感神経が活発になるため起きる生理現象です。一方交感神経が活発になると射精します。

性行為ではまず副交感神経で勃起する必要があります。そしていざ射精となると瞬時に副交感神経⇨交感神経へと切り替える必要があります。ちなみに射精後にペニスが縮まるのは交感神経が活発=副交感神経が大人しくなる⇨勃起しないからです。賢者タイムも意外と医学的なのです。

脊髄損傷では交感神経・副交感神経の両方がやられます。なので勃起・射精の両方で障害を認めます。また精子は尿道を通って射精されますが、その際に膀胱に逆流しないように括約筋を締める必要があります。でも脊髄損傷ではこの括約筋収縮が上手くいかず、膀胱に精子が行ってしまう『逆行性射精』も問題となってきます。

治療としては人工授精が一番確実ですが、大がかりですし侵襲(≒痛い)が大きい欠点があります。勃起の補助の為には、陰圧式勃起補助具(下図)や陰茎への薬物注射、バイアグラなどがあります。

「陰圧式 勃起」の画像検索結果

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一方射精は結構むずかしく、陰嚢バイブレーターなどで刺激与えます。効果不十分な手術で精子を取ってきて、人工授精です。

どちらにしても手間・時間・患者負担を伴います。

女性 排卵・出産

女性は脊髄損傷によってあまり性機能障害はでません。これが男性の脊髄損傷患者との大きな違いです。

まず排卵はホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)で制御されています。男性と違い自律神経の影響は軽度です。そのため生理周期・排卵は正常であることがほとんどです。精神的ショックで多少乱れることはあるかもしれませんが。

そして妊娠した場合、胎児は発達しますが若干早産の傾向にあります。子宮口=筋肉 が多少脊髄損傷で影響されるためです。子宮口機能⇩⇒胎児・羊水などの重さに耐えられなくなる⇒早産。

そして、出産。当然力めないため子宮⇒膣の経腟分娩は不可能です。ほとんどのケースで帝王切開します。でも経腟と帝王切開では、胎児への影響は差はなく健常人と特に変わりないです。

見逃されやすい性機能障害について述べました。またお願いします。

以上です。またお願いします。

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