筋電図

跳躍伝導の仕組み・誤解

まとめ:跳躍しているように見えるだけ

『跳躍伝導』はよく髄鞘間に存在するランビエ絞輪をまるで、ジャンプ・ワープするように伝導する。だから有髄神経(髄鞘がある)は無髄神経(髄鞘が無い)より神経伝導が速いと言われています。

一部合っていて一部間違えです。

まず神経伝導を川の流れを例にして説明していきます。

川が速く流れる=伝導が速い、遅く流れる=伝導が遅いを意味します。

神経に髄鞘(堤防 絶縁体)がない無髄神経は『堤防の無い川』のようなものです。ちょいちょい水(電流)が川(神経)から漏れてしまいます。そうすると川を流れる水量が減る⇒流れが遅くなる⇒伝導速度が低下します。一方髄鞘(堤防)が存在する場合は水漏れが少ない⇒水流が保たれる⇒流れが速い⇒伝導速度が速いっとなります。

つまりロスなく電流が伝わるから有髄神経は伝導速度が速くなるのです。

さてここで跳躍伝導での誤解ですがそれは、髄鞘間のランビエ絞輪を『飛び飛び』に伝わるっというものです。電流自体は普通に神経線維を連続して伝わり、決して飛び飛びには伝わりません。

そもそも跳躍伝導の電流が伝わる経路の候補は

①神経線維(軸索)そのもの

②ランビエ絞輪のみ

③神経線維外部です

でも②を伝わるには髄鞘(絶縁体)を電気が通る必要がある、でも髄鞘は絶縁体なので電気は通りません。③はもはや神経関係なくワープや異常発火です。なので①を電流が通ると考えるのが妥当です。

そもそも跳躍伝導を説明する際に髄鞘は絶縁体=電気を通しにくいのに、何故か髄鞘を電気が通っている事になっています。無理あるやろ。

では『飛び飛び』という表現はどこを指しているか、それはランビエ絞輪、正確にはそこに存在する高密度のNaチャネルです。

むかしむかし神経伝導の実験のターゲットはNaチャネルでありその活性を調べることで研究が行われてきました。跳躍伝導を調べた際に『飛び飛び』に存在するランビエ絞輪(Naチャネル)が活性化して電気が伝わる様子が、あたかもランビエ絞輪(Naチャネル)を『飛び飛び』に伝わっているように見える⇒跳躍伝導と名付けたのです。電気の伝わり方自体の事ではありません。

飛び飛びに伝わるっという言葉自体は合っていますが、何が、が欠落していたのです。以上です、ありがとうございました。

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