検査

筋電図症例問題集④:下垂足part2

筋電図の知識に関してはリンク参照くださいm(__)m リンク:筋電図関連の記事一覧

今回もテーマは下垂足。

臨床像

主訴:右足首が上がらない

現病歴:26歳男性。交通外傷のため長期臥床、車いすでの座位時間が延長していた。加療中に意識レベル改善認めたが、受傷2か月後の歩行時に右下垂足を認めた。経過観察したが改善認めず精査目的で筋電図施行となった。

既往歴:特記事項なし

身体所見:MMTは右足関節背屈0、底屈0、母指伸展0屈曲0、膝関節伸展5屈曲2、股関節外転5 その他麻痺なし。下腿外側・足関節以遠全てで感覚鈍麻認めた。

⇒さてここまでの情報でどの疾患の可能性、どのような検査プランを考えますか?考えてから次の神経伝導検査・筋電図に進んでください。

神経伝導検査

検査では以下の所見を認めた。

右腓骨神経・脛骨神経・腓骨神経はいずれもCMAP/SNAP/F波は導出不可であった。

右伏在神経SNAPは正常であった。

⇒さてここまでの情報で、次の針筋電図はどの筋肉を刺しますか??

針筋電図

・前脛骨筋TA、短趾伸筋EDB、腓腹筋Gastro、大腿二頭筋で安静時❛脱神経電位❜認め、随干渉パターンは無く2MUPのみ認めた。

・中殿筋G.medはいずれも正常所見であった。

⇒さて診断は何でしょうか?また障害の程度、急性期か慢性期か、予後は?

解説

①臨床像

これはいわゆる『便座損傷』を取り上げた1例です。

便座損傷とは便座や車いすの座面の縁が大腿後面を圧迫し、坐骨神経麻痺をきたす病態です。意識障害や認知症、障害者・児などで認めます。我々でも便器にずーーーっと座ってみれば体験できます。なんか下腿が痺れて、立ち上がると上手く歩けません。

坐骨神経がやられると脛骨・腓骨神経が動かないので、膝関節屈曲⇩、下腿の機能は全廃します。膝関節屈曲は半腱様筋や半膜様筋のおかげで全廃になることは無いですが、二頭筋が落ちるので筋力低下は認めます。

②神経伝導検査

下肢でよく調べる脛骨・腓骨・腓腹神経は全て導出不可となります。その代わり伏在神経SNAPは正常となります(伏在神経は大腿神経由来)。それが鑑別には大事

③針筋電図

下腿及びハムストリングスで異常となりますが、障害部位・座面のタイプによってはハムストリングスは無傷は場合もあります。

坐骨神経支配ではない中殿筋や大腿四頭筋などで正常を見つけることが大事です。

④診断

坐骨神経麻痺(大腿背側での障害)。急性期、予後不良。

改善は月・年単位であり障害残存の可能性あり。

 

以上です。またお願いします。

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