尺骨神経背側枝がキモ
ADM〇 FDI×
Guyon管症候群
手首での尺骨神経麻痺
上図のTunnel of Guyonがギオン管です。ちょうど手首の小指側にあります。(正確には豆状骨外側)
ここに慢性的に長時間・長期間の圧迫が加わると症状が出てきます。多いのがスポーツ(ゴルフ・自転車)や仕事(トンカチなど使う大工)などの既往・職歴があることが多いです。
症状
症状は肘部管症候群と似ています。
握力低下や手先が不器用(巧緻性低下)になったり、小指と薬指の感覚低下やしびれなどを認めます。
神経伝導検査
肘部管症候群とGuyon管を見分けるポイントは
①尺骨神経CMAP〇SNAP× (ADM〇FDI×)
②尺骨神経手背枝のSNAPが正常
CMAPを調べるADM及び手背枝はGuyon管を通る前に尺骨神経から分岐しますので正常となります。一方FDIはGuyon管を通った後にやられるので異常となります。逆にADMは針筋電図で正常となります。
なお手背枝を調べるには
・記録電極(-):示指中手骨
・基準電極(+):示指MP関節
・刺激電極:基準電極から12-14㎝近位、手関節のFCU内側
で測定します。
またADM正常、FDI異常を利用して比較試験をすることがあります。通常の尺骨神経CMAP測定時の遠位刺激ポイント(FCUの撓側)から刺激して、ADM/FDIでの潜時差が>2.0ms、FDIの潜時が4.5ms異常であることを認めればGuyon管症候群を疑います。
針筋電図
ADM〇FDI×であることを証明します。
それだけです。おしまい(‘◇’)ゞ
尺骨神経CMAP〇SNAP×
尺骨神経手背枝のSNAPが正常
ADM〇FDI×
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