筋電図の進め方⑧:心臓手術後のC8/Th1麻痺

心臓手術、特に胸骨正中切開による開胸術を行った患者に手指巧緻性(不器用になる、握力低下など)を認める症例が時々あります。でも年1-2件依頼の来る程度なので、知名度自体は低め。

症状としては正中神経麻痺+尺骨神経麻痺に近いモノですが、個人的には尺骨神経麻痺の症状が目立ちます。手の感覚障害や鷲手、手指巧緻性低下が症状として見られます。

筋電図自体はそんなに大変ではなくルーティンです。

誘発筋電図

⇒正中神経・尺骨神経(+橈骨神経や筋皮神経など)

針筋電図

⇒APB/FDI/Triceps/Bicepsなどなど。その時々です。

大体の爆心地はC8・Th1です。おまけでC7に及ぶ時もありますがC6以上はあまり経験無いです。

なんでこんなことが起きるのか。実は不明です。

よく言われているのは胸骨を真っ二つに割り、胸郭を広げて手術をするので人体の限界を超えて『胸を張る』ことになります。それによってワキ・下位腕神経叢で圧迫されて起きる、、、らしい。他にも手術肢位による圧迫なども考えられていますが不明です。

でもこんな病気・原因があることは覚えておいて損はないでしょう。

以上です、またお願いします。

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すずき Suzuki