筋電図の基礎⑦:針筋電図で多相波が出来る理由

まとめ

お助けマンのおかげ・せい

近くの神経のサポート

神経がやられ、一定期間が経過すると針筋電図では多相波(Polyphasic Unit)が観測されます。これがみられると『あぁ~神経がやられて時間が経つのね~、慢性期』っと判断します。

ではどうやって多相波が出現するか、図を用いて説明します。ショボくてすいません。

今図のように神経(前角細胞)が筋肉を支配し、活動電位が出ているとします。ここで一方の神経が何らかの原因でやられたとします。

神経は障害を受けるとWaller変性やDying-back現象によって神経軸索が変性・消滅して筋肉を動かすことが出来なくなります。

そのまま放っておくと筋肉は収縮する指令が神経から来ないので、収縮することを忘れどんどん小さくなっていきます。

そこで近くの神経がお助けマンとして、神経側芽を生やしてサポートに回ります。

これによってやられた神経の代わりに周りの神経が筋肉を収縮させます。

時間・位相のずれ⇒多相波

でもサポートに回った神経の本来長さと、お助けとして生やした神経側芽は微妙に長さのズレが生じます。

それによって前角細胞からの指令が伝わる速さ・時間に誤差が生じ、結果発生する筋活動電位は発生時間・位相にズレが生じた状態で、重なり合います。(下図最終段)

その結果、位相の多い多相波(Polyphasic Unit)が誕生します。また二つ以上の活動電位が重なって生まれるため高さ(Amplitude電位)および振幅(持続時間Duration)も大きくなります。

そのため多相波一般的に多相・高電位・高振幅となります。このように神経原性変化によって起きることを整理すれば多相波の発生理由は簡単に分かります。

以上です。またお願いします。

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すずき Suzuki