まとめ:アセトン血性嘔吐症=飢餓 飴ちゃん効く!!
子供でよくある胃腸炎・食中毒とは、少し毛色が違うものを今回は扱います。
☆アセトン血性嘔吐症☆
子供の嘔吐(ゲロ)・下痢はまぁ~よく来ます、特に冬。基本的にはやることないです。経口補水液(Ex:OS-1)飲んでね、です。嘔吐が強い場合は水も飲めませんので、座薬など使って止めることはあります。でも下痢はよほど脱水がないと止めません。そもそも嘔吐や下痢は一種の自浄作用なので、止めてしまうと余計に症状が長引くことは広く知られています。
嘔吐の原因は多岐にわたります。ウイルス・細菌・ストレス・・・。その中で『アセトン血性嘔吐症』という病気は、救急外来ですぐに治せる可能性があり、治すとなんか『神』扱いされます。
☆飢餓が原因☆
そもそも『アセトン血性嘔吐症』とは何か。
簡単に言うと、嘔吐症のなかで血液中に『アセトン』が多い状態の病気です。はい、よく分かりませんね。見ていきましょう。
『アセトン』とは脂肪を我々が分解した際にでる物質(ケトン体)で、糖分などと同じくエネルギーを生み出す重要な物質です。アセトン血性嘔吐症ではこのアセトンが血液中に充満した状態です。
アセトン⇧⇧になると、大人でいう『二日酔い』みたいな症状になります。症状はめまい・気分不良・頭痛・嘔吐・腹痛など多種多彩です。ではなぜアセトンが増えるか。それは子供が『飢餓状態』だからです。
☆検査☆
一応尿検査でケトン体陽性を確認したり、血液でアニオンギャップや、血液ガスでpH酸性または代償性呼吸見たりします。でもそこまで決定打はないです。(* ̄- ̄)ふ~んくらいです。なので私はあまりしません、金と時間かかるので。
☆アセトン血性嘔吐症の簡単な治療法☆
我々はまず糖分を最初にエネルギーに用います。でも飢餓状態が続くと、我々は脂肪を利用しアセトンなどのケトン体を合成します。
本来はケトン体なんて我々も作りたくないのです。でも『脳』という美食家はブドウ糖かケトン体しか食べません。おい〇んぼの海山みたいにグルメです。脳が死んだらあかんので仕方なく体はケトン体を作ります。結果的に体内はアセトン(ケトン体)まみれになり、アセトン血性嘔吐症になります。
上記のストーリーが起きた一番の理由は飢餓、つまり糖分供給不足です。飢餓の原因としては嘔吐で食べられないのもそうですが、よくあるのが『糖分を含まない飲料を子供に与えているケース』です。水・麦茶・お茶などです。要は糖分が供給されないため『アセトン血性嘔吐症』が起きるのです。
そんな子供が来た時に救急外来で何するか。
まず診察しつつ、尿検査でアセトン(ケトン体)チェックする。
⇒結果出るまで時間かかると説明し、待合室で待っていてもらう。
⇒その際に待っている間にアメ玉なめたり、糖分をいっぱい含んだスポーツドリンク(ポカリ)飲んでもらう。
⇒もう一度呼んだ時には、なんか元気になっている。
このパターンは頻出です。アメちゃんで治すため、なんか名医扱いされます、マジで。
☆子供は在庫が少ない☆
アセトン血性嘔吐症はさきほどから述べているように糖分不足のガス欠です。体の糖分のストックが無くなったため起きます。糖分は主に肝臓・筋肉に備蓄されますが、子供は大人に比べ肝臓・筋肉などが小さいです。でも体重当たりの消費カロリーは大人より多いため簡単にガス欠になります。そのため数時間の絶食ですぐに糖分が枯渇し、アセトン血性嘔吐症になってしまいます。
糖分を含んだ飲料・アメをあげて様子見るのは、20-30分・50-100円で家庭で出来る治療法です。是非試してみてください。ただし0キロカロリーのアメは止めてください。意味無いので。
それでも嘔吐が治まらない場合は医療機関受診を。以上です。
以上です。またお願いします。今後追加する可能性大。
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