まとめ:移動距離は波>直線
バタフライの最高瞬間速度は全ての泳法で一番速いです。でも世界記録を見てみると
50m自由形:20秒91、バタフライ:22秒27
100m自由形:46秒91、バタフライ:49秒82
200m自由形:1分42秒00、バタフライ:1分51秒51
と50mにつき1.3-1.5秒ほどバタフライはクロールより遅いです。理由の1つは呼吸する際の抵抗がバタフライが大きいこと、もうひとつがバタフライの方が単純に泳いでいる距離が長い。
バタフライの軌道をすごーく簡略化すると下図のようなy=sinx(サインカーブ)となります(サイン・コサイン・タンジェントのサインです)。いわゆる『波』です。一方クロールや背泳ぎは直線移動であり、下図だとX軸と同じです。
当然試合で用いられる距離、100mとか200mとかは直線(X軸)の値です。バタフライは波であるため直線に比べて必然的に移動距離=泳ぐ距離が長くなります(ちなみに上図y=sinxでのX=2π<パイ>までの距離は、直線=X軸では当然2π、でもy=sinxの移動距離は2√2πとなり√2≒1.4倍も移動距離があります)。
なのでバタフライが波打ちながら泳ぐ泳法である以上、必ずクロールよりも移動距離≒泳ぐ距離は長くなってしまうのです。
バタフライのトップスイマーの流速は1.8-2.0m/sであり、100mでバタフライは3秒近くクロールより余計に泳ぎます。なので単純計算上では1.8-2.0×3≒5-6mほど余計泳ぎ、105mバタフライになっていると考えられます。100mでの5mの差は本当に大きく、体力の限界に挑む競泳ではタイムもそりゃ遅くなります。
100mバタフライは100m以上泳ぐ、なので遅くなる。検証してみると面白いですね。
以上です。またお願いします。