医学

血ガスでの乳酸値の重要性

まとめ

低酸素の指標

安静なのに無酸素運動

救急や病棟などで患者の呼吸状態が悪い時、我々は『血液ガス』を調べます。動脈血(場合によっては静脈血)内の酸素や二酸化炭素、pHなどを調べます。その際に乳酸値も調べますが、全身状態を即時に知ることが出来る素晴らしい指標です。

乳酸≒無酸素

乳酸は1つのブドウ糖を酸素を使わずに分解した際に2つ出来る物質です(C6H12O6→2C3H4O3)。その際に筋肉を動かすATPが産生され運動を持続することが出来ます。つまりいわゆる無酸素運動、100m全力ダッシュ、などで多く作られる物質です。

乳酸は酸とつくだけあった、昔は筋肉のpHを下げる悪者扱いされていましたが、今は逆に乳酸から再びブドウ糖が作られるのでただのリサイクルの過程で産まれる物質、冤罪ではないかと言われていますがまだよくわかっていません。

ただし乳酸が産まれる≒無酸素性代謝が起きている事だけは確実をされています。

4mmolが分岐点

乳酸値で重要なのは4mmol(36mg/dl)です。

人間運動をしなくても少量の乳酸は血中にあります。しかし運動強度を上げていくうちに無酸素運動の割合が上がっていき、処理限界、一気に乳酸濃度が上がるポイント・変曲点が4mmolです。

この無酸素運動が一気に始める≒有酸素運動の限界を無酸素性閾値と言います(正確には乳酸閾値)。理論上無酸素閾値よりも低い運動強度では、体力とやる気の限り、無制限に運動が出来ます。逆に無酸素性閾値を超える運動はいずれ限界がきてペースが起きて、結局無酸素性閾値レベルのペースに落ち着きます。

運動していないのに無酸素運動

さて入院して血液ガスを調べなくてはいけないような患者は、基本ベッドで寝ている・倒れています。

それなのに乳酸値が4mmolを超える事態が発生する

⇒特に運動していないのに無酸素運動始まっている

⇒息が出来なくて酸素が足りていない、しっかり心臓で血液回せていない

⇒心配停止時間が長い・呼吸状態ひどい

⇒予後・回復は厳しいと判断します。

実際ICU死亡率は乳酸値が4mmolで39%、4-10mmolで67%、10mmolを超えると96%以上となります。

 

このように乳酸値を見るだけで患者の大まかな状態・予後がパッと分かる重要な指標なので覚えておいて下さい。

以上です。またお願いします。

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