人体・臓器

肺:酸素の為に犠牲

肺、おそらく一番かわいそうな臓器。 

呼吸のたびに外気に触れるため、タバコ・細菌・ウイルス・PM2.5・ハウスダストなどに晒されるからです。なんでそんなに辛い労働環境なのでしょうか。それは生物が陸上に進出したからです。

生物が海⇒地上に出た理由、それは酸素が豊富だからです。

塩とステロイド(https://drsashimi.com/ステロイド②)でも書きましたが海に比べ地上は

①乾燥②温度変化③塩が無い(+④浮力が無くなり、体重をモロ支えなくてはいけない)などの苦難が多かったです。それでも進出していった理由の一つが酸素が豊富だからです。

酸素濃度は空気では21%ですが、水では1Lあたり40mg、40mg/L→0.04%で段違いです。酸素分子は結構安定しており、水にそもそも溶けにくいのです。というより水中で発生した酸素が、溶けきれずに大気中に放出された事で、今日の空気が出来ているのです。

酸素の最大の利点はそのエネルギー効率です。

例えば我々はグルコース(ブドウ糖)からエネルギー(ATP)取り出す際に、無酸素では2molしか生成されませんが、有酸素では38molと実に19倍の効率です。また脂肪は非常にエネルギー密度の大きい物質ですが、酸素無しには利用できず宝の持ち腐れです。酸素から多くのエネルギーを得ることで生物はその移動能力・頭脳を飛躍的に伸ばしていきました。空を飛ぶ物からパソコン作りだす物まで。

酸素を取り込む際に我々人間は肺を利用します。

よくある誤解が浮袋⇒肺に進化した説です。全く関係なく、消化管の一部が膨らんで肺が出来ました。なので空気と食べ物の入り口が途中まで一緒なのです(そのおかげでむせたりしますが)。肺は大量の酸素を取り入れるために、無数の空間、肺胞を作り出して表面積を拡大させました。その面積は1つの肺でテニスコート1面分と言われています。

さてそれだけ広いと、当然タバコ・細菌・ウイルス・PM2.5も多く付着します。

多くは痰として排出しますが、一部出来ずに蓄積していきます。

「肺 喫煙 写真」の画像検索結果

参照:http://www.mcfw.jp/smokinghazard7x.htm

有名なのは上図のように、タバコによって右図のように肺が黒くなることです。

ただこの写真でもう一つ大事なことは、非喫煙者でも黒く変形している所があることです。

自然発生のススやガソリンの燃焼によるススが、健常人でも付着します。肺が体内に入るのをブロックしてくれているのです。

肺は感染症にも侵されやすいです。

そのため高齢化の影響もあり、ついに肺炎は死亡原因の3位になりました。しばらくしたら2位の心疾患も抜くかもと言われています。ちなみ1位は悪性腫瘍、つまりガンです。おそらく今後も1位を維持するでしょう。またガンの中でも肺癌は一番多いです。

肺炎でも特に誤嚥、本来食道に流れてほしい唾液・水・食物(誤嚥物)が肺の方に流れる事でおきる誤嚥性肺炎が重要です。誤嚥物事態の影響(pH メンデルソン症候群)や誤嚥物内の細菌によって起きます。そのためリハビリでは医者およびST(言語聴覚士)中心に誤嚥を防ぐためのリハビリを行っています。具体的には首の筋トレや水・食事にとろみ(あんかけ)付けて食べやすくしたりします。

酸素が欲しい生物のために、最前線に立たされた『肺』。

もしかしたら一番に犠牲になった、かわいそうな臓器かもしれません。

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