一つ前の記事で、救急外来は見た目が9割と述べました。https://drsashimi.com/救急外来:人は見た目が9割?
でも医学界にはさらに、見た目重視の分野があります。病理学です。
読者の方のほとんどは見たことも聞いたこともない科でしょう。
基本的に患者・患者家族と直接会う機会は少ない科ですね。
病理解剖、死因などを判断する解剖ですが、その際には会うかもしれません。
でも最近はマンガ『フラジャイル』のヒットで身近になったでしょうか。ちなみに個人的にあの漫画は病理+臨床検査の印象を受けましたね。
病理学とは顕微鏡などを用いて、細胞・組織の異常を判断し、病気の確定診断をする科です。医学界ではレントゲンや採血などはしょせん参考所見です。たとえ腫瘍マーカーやレントゲン・CTでガンっぽいものが見えてもガンの『疑い』です。
病理診断して初めて確定診断です。
ちなみに医学界で確定診断は、病理解剖と造影剤を用いた造影検査のみです(心筋梗塞など)。
では具体的にはどうやって確定診断しているか?
例えばガンなどはこんな感じです。
顕微鏡見る→見た目が悪い→こいつガン!!
極論言うとこんな感じです。(全国の病理医の方、ごめんなさい)
ガンか正常かは、ほぼ見た目で決まります。具体的には細胞の形が変、細胞の核が大きすぎるなどを見ます。ただ抗体染色という特殊な染め方をしてガンのタイプを見分けることもします。ガンのタイプによって使える・効く薬や生命予後が変わってくるためです。
また当然ですがガンかそれ以外、または正常かで治療方針は天と地ほど変わっていきます。もちろん余命も。
あまり目立たないが、大事な病理。縁の下の力持ちですね。
またお願いします。
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