医学雑談

急性アルコール中毒:治療・対処法

春は歓迎会、夏はBBQ、冬は忘年会・新年会・送別会。秋はなんだ?(笑)日本はたくさん飲み会がありますね。特に冬は多いですね。

そんな時に気を付けなくてはならないのが急性アルコール中毒(急性アル中)。この病気、救急外来で一番うざがられます。理由は簡単、暴れるしうるさいからです。また急性アル中の根本的な治療法が無く、やることもほぼ無いのです。

一応治療方法はあって基本戦略は点滴し、おしっこの管を入れて『強制利尿』、つまりおしっこを強制的にさせます。アルコール濃度が薄まるとかなんとか。どこまで効果あるかは正直不明です。

でも急性アル中は点滴取る時におとなしくできないので、針入れる際に抑えるのに人手が必要です。でも特に冬場は病気(インフル・肺炎・心不全)になりやすい季節です。救急外来も大忙しです。そこで時間と人手取られると結構イラつきますあと根底には「おれら働いてるのに、酒飲めて楽しそうやな~」、『いい大人なんだから、気をつけろよ』などのブラックな思いが無きにしも非ず。(アル中は宴会終了後の深夜にくることが多く、疲労と眠気で余計ムカつきます。我々も人間なので)

でも暴れる・うるさいは実は良いことです。暴れるだけ元気なので全く動かない方が重症だと我々は思います。

またアルコールが進むにつれ色々な症状が出てきます。よくアルコールは脳を上から壊していくと言われています。脳とは大まかに上から大脳・小脳・延髄をここでは指します。

それぞれの働きは

大脳:感情・運動・理性

小脳:バランス

延髄:呼吸・脈拍を担当しています。(すごく大雑把)

以下のようなことが順に起きます。

①大脳がやられます

飲んでて大脳がイカれます。楽しくなったり、普段よりじょう舌になります。人格変化もあったりします(酒で人が変わる)。医学的には抑制(理性の事。本能を理性が抑制するので)が外れた状態、脱抑制といいます。

ちなみに酒飲んで記憶を失う人って結構いますよね。あれは脳の海馬という短期記憶(数秒-数時間)の担当の部署がダメになるため起きます。なので会話内容だったり飲んだ場所・酒の量などが分からなくなります。一方家の住所や帰りの電車などは長期記憶なので別の場所に記憶は保管されているため、酔って飲んだ記憶なくても家までの経路は覚えており帰宅できます。

②小脳がやられます。

バランス・平衡感覚が悪くなりフラフラしだします。俗にいう千鳥足。また小脳性構音障害も出てきますので語気が強くなり、言ってる事が分からない状態です。酔っぱらいの声が大きいのはこの小脳性構音障害が起きるためです。後難聴にもなるのも理由の一つです。

③延髄がやられます。

最後に延髄が逝きます。呼吸が抑えられ、最悪止まります。(呼吸抑制・停止っといいます。)。急性アル中の死因はこの呼吸抑制か吐いたものが詰まる窒息、路上で寝てしまっての凍死です。窒息や凍死が多い印象です。凍死は夏でも起きます。案外アスファルトやコンクリートって冷たく体温は奪い続けます。なので夏だからと言って油断はしないでください。

では人が酒でつぶれたらどうするか、ずばり回復体位(サムネ及び下図)をとってあげてください。そして放置して帰らないでください。簡単に死にます。

「回復体位」の画像検索結果

参考:http://www.olympus-kenpo.or.jp/kenko/healthinfo/2003/09/sep_2003_sub3.html

酒は飲めども、飲まれるな、適量飲酒。人生の先輩方の教訓はやはり大事ですね。

ではまたお願いします。

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