医学部

医学部③:解剖実習

☆解剖学は地図☆

医学生の多くは2年生の時に、解剖実習を行います。解剖実習とは検体を用いて、人体の正常構造を学ぶことです。この学問自体を解剖学と言います。

解剖学は人体の地図に例えられます。何という名前の血管・神経が、どうやって走っているか。この筋肉を動かしている神経は何か?などなど。それらを示した地図が解剖学です。例えば手術という冒険に出る時に、地図無かったら大事件です。遭難=患者の不利益・死に繋がりますので解剖学は医者にとって必須の知識です。

☆ホルマリンプール☆

さて解剖に関して、有名な都市伝説があります。解剖用の遺体(検体)はホルマリン漬けのプールに沈んでいる。そして浮いてきたら、検体の腹を刺して沈める高額闇バイトが・・・。

ねぇ~よ(笑)

なんでそんなウワサが出来たのでしょうかね。面白おかしく創作したのでしょう。確かに検体はホルマリンで防腐処理がされています。でも決してプールに沈めません。

てかプールいっぱいの大量のホルマリンを用意するのは大変コストがかかります。また検体の表面のみが防腐されるだけなので、内部は防腐されず腐ってしまいます。

少し脱線しますが、最初に解剖を行った人は墓場から遺体を掘り起こして行ったそうです。当然腐ってますし、相当臭かったでしょう。でも好奇心が勝り、今の医学の基礎を作ってくれました。本当にすごいですね。

さて本題に戻りますが、現在は検体の防腐処理は一般的には還流という処置を行います。これは血管をホルマリンで満たして防腐処理する方法です。点滴と似ています。動脈・静脈に針を刺して一方からホルマリンを流し、もう一方から回収します。回収したホルマリンはまだ防腐能力が残っているのでまた体内に流す。効率的。これを繰り返します。血管は人体最大のネットワークであり、すみずみまでホルマリンを行きわたらせる通路としては適任です。なのでこのような処理をします。

ちなみにホルマリンは油絵の具の匂いがします。トリビアです。

☆解剖実習☆

さて解剖実習は大体秋~冬の2‐3ヶ月、毎日9‐17時で行います。なにせ血管・神経・筋肉を一つ一つ出していく(剖出)ため大変疲れます。解剖では人体を隅々まで観察するために、色々な道具使います。

メス・ハサミ・のこぎり・ペンチ・エレバラスパ(ノミみたいなもの)などなど。大工さんになった気分です。そして解剖実習が終わったご遺体は、後日合同葬にて荼毘にふされ、遺骨はご家族の元に戻ります。ちなみに最近は特に都市圏を中心に、検体が必要以上に集まっているそうです。高齢化によって身寄りのない人が増えた、葬儀代が出せないなどの経済的理由も関係しています(検体の火葬・葬儀費は大学持ちです)。

でも死後に医学の発展のために、自らの体を差し出して頂けることは本当に貴いことだと思います。解剖始まると何となくですが、あぁ~医学部に入ったんだなと自覚し、勉強するようになりましたね。検体の問い合わせ関しては大学病院の事務・解剖学教室で行っていることが多いので、関心のある方は問い合わせてみても良いかもしれませんね

ではまたお願いします。

Twitter:https://twitter.com/drsashimi1

スポンサードリンク

医学ランキング

関連記事:受験時代 https://drsashimi.com/医学生①浪人~受験

医学生=レアモンスターhttps://drsashimi.com/医学生②レアモンスター