医学雑談

依存症~本質・死・治療~

☆依存の本質☆

誰しもが酒をはじめ多くの依存物質が、悪い物だと認識しています。

でもなぜ人は依存してしまうのか。

それは依存症が唯一、自分で自由にコントロールできる世界だからです。

この世は複雑です。仕事・交際・人間関係、いずれも自分の力だけではどうにもならない事ばかり。でも依存物は我々の邪魔をしません。ただそこに存在するだけです。無条件で受け入れてくれる、それはとても安心でき、幸せな事です。

だから人は依存症になってしまうのです。

☆社会から離脱=死☆

でもなぜ人間は依存していけないか。それは人間として生きていけなくなるからです依存は確かに快楽です。でもそのせいで先の仕事・交際・人間関係などがことごとく破壊されます。

人間は本来弱い生き物です。熊やライオンなど、人間より強い生き物は沢山います。なので人は群れを、社会を作り繁栄しました。そのため人は社会的動物と言われており、基本的に独りでは生きていけません。社会つまり他人の中で生きていく以外に道は無いのです。

依存症は社会からの孤立を招きます。それは結局依存者の社会的死亡を意味します。自殺と根本的に同じなので、我々医療者は全力で止めに行く必要があるのです。

☆治療=断つ☆

では依存症の治し方は何か。それは『断つ』ことのみです。少しずつ減らしていく方法もありますが、全く効きません。グダグタとまたハマります。ちょっと、後ちょっとが命取りです。ニコ〇ットや嫌酒薬などもありますが、やや効果乏しいです。

補足ですがアルコール依存症の薬に、『嫌酒薬』と言うものがあります。これはアルコールを分解する酵素を阻害し、アセトアルデヒドを大量に発生させることで、意図的に気持ち悪くさせる薬です。気持ち悪くなる⇒飲まなくなるっという理屈です。

でもこの薬は『薬を飲まなければ、なんの効果も無い』っという落とし穴があります。酒飲んでも薬飲まなければ意味なしです。飲まないための抑止力として使用します。でも本当のアルコール依存症ではそんな抑止力はあまり効果ないです。なので個人的には全く処方したことないです。やはり『断酒』に勝てるものはありません。

☆兵糧攻め☆

依存症では本人の治療も大事ですが、周りの治療も行います。

依存症の陰には、ほぼ全例『イネーブラー enabler』がいます。つまり依存できるように手助けする人です。ほとんどが家族です。例えば依存物質を買ってくる、金だす、後始末するなどです。

当然家族としては依存に加担している意識は無いので結構ショック受けますし、家族を変えていくのも大変です。でも周りから攻めていく『兵糧攻め』は、治療戦略の上で非常に重要です

多角的に治療していく必要がある、いや、していかなくては治らないのが依存症です。是非ご留意ください。

以上です。またお願いします。

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