ワンピース初期、シャンクスの腕が食われるシーンをマジメに検討します。
☆受傷起点
謎の動物によって左上腕(二の腕)を噛みちぎられた、動物咬傷にあたる。
☆診断名
- 左上腕切断
- 汚染創
☆治療計画。
①洗浄・感染症対策・破傷風予防
かなり汚い傷口なので、まずは大量の水道水または煮沸した井戸水(5Lほど)で、傷口を洗浄します。
傷口に砂などの異物が付着していた場合は、適宜ブラシなどで洗い落とす。
今回の受傷起点が動物咬傷であるので、傷口は謎の動物の口腔内細菌によって汚染されている。
口腔内細菌には嫌気性菌(酸素が嫌い)も含まれているため、色々な細菌に効く抗生物質を投与します。
シャンクスはおそらく破傷風ワクチン接種歴ないので、予防のため破傷風トキソイドを注射する。
②傷口を縫う
動物咬傷のため、嫌気性菌が傷口の深くまで浸透しているものと考えられる。
完全に傷を縫い合わせてしまうと、人為的に無酸素空間を作り出してしまい、嫌気性菌が繁殖し、余計傷の治りが悪くなってします。
傷口は一部隙間を作るようにして、縫い合わせる必要があります。傷口からのウミが無くなったら、傷口を完全に縫い合わせていきます。
また一部の筋肉や皮膚の色が黒くなったりして腐った場合は、適宜取り除く(デブリードメント)。
③義手作製。
義手作製の前段階として、残った腕(断端)を義手に適したものにします。断端は放っておくと、ブヨブヨむくんだものになり、ちょっとの衝撃で皮膚がムけたりします。(不良断端)
それを防ぐために包帯を巻いて、硬くしまったものにします。(断端成熟)
残った腕の状態が良くなったら、義手の作製を検討していきます。
選択肢は3つで
①装飾義手
②作業義手
③機能義手
参照:http://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000155.html
おおまかに説明すると
①装飾義手:見た目のみで機能は0。
②作業義手:特定の職業用にフックなどが付いている。
③機能義手:ワイヤーや電動で掴んだり、離したりできる。
でもシャンクス氏は義手は作らない方針としたようです。
。
それも患者さんの意志です。尊重します。
☆身体障害者手帳・左腕機能回復の見込み
身体障害者手帳、肢体不自由の交付対象です。一側上腕1/2以上の欠損で2級に該当します。
公共交通機関・タクシー・自動車税の割引が受けられ、年収によっては障害者年金の受給対象となります。
義手の作製代も手帳によって補助されます。
左腕の実用性に関しては義手を作製していないので、医学的にかなり乏しいです。
予後不良です。
肩の動きのみ可能です。ほぼ廃用手に相当します。右手で作業する際に、残った左腕で物を支える・ずれないようにするくらいの働きのみ残存すると考えられます。個人的には活動量の多い患者なので、義手作製をおススメします。
総括
左腕の機能はほぼ全廃であり、予後不良。日常生活をより過ごしやすくするため、義手作製を勧める。以上です。
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