医学雑談

ゾフルーザ なぜ耐性菌が生まれやすいか

ゾフルーザは画期的な薬であることは前回述べました。☆リンク☆

でもなぜこんなに早く耐性菌が産まれたか。他のインフルエンザ薬となぜこんなに違うのか?

理由はターゲットの違いです。

製品と設計図

前提としてウイルスは自分自身だけでは増えることも生きていくこともできません。他の細胞に寄生して生存・増殖しています。また生物として未熟なので増殖時にミス=突然変異が起きやすいのです。我々のように高等生物の細胞も増殖(細胞分裂)時、遺伝子複製する際に一定の確率でミス(突然変異)が起きます。でもそれをしっかりチェックする機構が備わっているためミスは起きにくいです。でもウイルスはそんな複雑なチェック機能がないのでミスが起きたら放置です。そのため突然変異が起きやすいのです。

さて話を戻しますがインフルエンザウイルスは増殖するために他者の細胞内に侵入します。そして増殖後に最後細胞から出ていきますが、その際にノイラミニダーゼという酵素を使います。酵素、つまり遺伝子を元に作られたタンパク質です。このノイラミニダーゼをブロックし細胞からの放出を抑えるのがタミフルやリレンザに当たります。

一方ゾフルーザはウイルスが増えること自体を防ぎ、放出は防ぎません。具体的には増える際に必要なエンドヌクレアーゼを阻害し遺伝子(RNA)の増殖を防ぎます。遺伝子とは様々なタンパク質の設計図に当たりこの設計図をブロックするのがゾフルーザです。

つまり出来上がった製品であるタンパク質をブロックするのがタミフル・リレンザ、その根幹の設計図をブロックするのがゾフルーザです。

設計図のミス=大変化

冒頭でウイルスはミス=突然変異しやすいと述べました。初期段階の遺伝子増殖で異常が起きると、色々の工程を経てできる製品(タンパク質)は全く違う物が出来てしまいます。家を建てる際も設計図が間違っていたら製品である家はとんでもないモノになります。一方完成形である製品の一部が少し変わっても、全く別の物にはなりにくいのです。家ならなんか外壁の色が違う程度です。設計図という根元・初期段階の状態で変化が起きてしまうと、最終的にえらく違う物が出来てしまう。

ゾフルーザの場合も増殖初期の反応を阻害するため、突然変異が起きて少しでも変化してしまうと対応が出来ないのです。これがゾフルーザで耐性菌のできやすい理由と考えられています。

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