日本の医療はWHO(世界保健機構)から世界一と称えられています。良いことと言えば良いことなので日本人もよくわからず、いいね👍っと思っていました。
でも現場は医療崩壊というか過労・過労死状態です。オレゴンルールという有名な教訓がアメリカにあります。オレゴン州の健康保険の担当者が述べたものらしいですが、
『以下の3つをすべて満たすことはできない、頑張っても2つまで』
①安い医療(Low cost)
②質の高い医療(High quality)
③いつでも利用できる(Easy access)
例えば安くて質の高い医療を受けたい場合は待ち時間が長くなる。そもそも診てもらえるか分からない。アメリカは医療費を高くし、イギリスなどは数を制限する政策をとってオレゴンルールを守っています。
日本ではこの3つが奇跡的に今は満たされています。昨今医療ミスや事故が最近盛んに報道されてますが、世界的に見たら日本の医療水準は間違いなくトップレベルです(医療水準の指標には平均寿命や乳児死亡率などが参考とされます。いずれも日本は世界トップレベルです。)
ではどうやって不可能と言われた3つを同時達成できたか?
現場の犠牲の賜物です。
24時間365日医者であれ!!誰が言ったか分からない職業倫理観が優先されました。また法律で応召義務、患者に求められたら診察を断れないという法律の裏付けもあり、より状況は深刻になりました。(実はこの応召義務は罰則規定が設けられていません。破っても明確な罰は決まっていません。過去罰せられた人もいません。)
昔は平均寿命が60-70と短く、老人が少なかったからよかったです。でも今は高齢化によって患者激増しました。特定の科や地域への医師偏在、コンビニ受診(軽い症状でもすぐ受診)など複合的に様々な原因が重なってしまっているのが現状です。
結果現場が疲弊することとなりました。昔からよく言われている格言があります。
医者は体、心、家庭のどれか1つは壊すといわれています。
まさに新オレゴンルールですね。
最近働き方改革・高度プロフェッショナル制度なんて言われますが、これ以上攻めたら多分医療は崩壊しますね。昔温暖化やオゾンホールなどが騒がれた時(最近結構聞かなくなったな)、持続可能な社会(Sustainable Society)が声高に唱えられました。
今後は持続可能な医療(Sustainable Medicine)も話題になるといいですね。
医者の労働状況・過労などは、今後書いていこうかと思います
またお願いします。
<Twitter:https://twitter.com/drsashimi1

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